苔に必要な明るさは?苔が育つ場所の明るさ調査

苔の勉強

苔を育てるには湿度明るさという2つが大切な要素です。

インターネットや書籍を調べれば苔の育成に必要な環境として「半日陰」「カーテンのレース越し」といったような表現が紹介されています。

ですが、これは実際にはどのような明るさなのでしょう

そんな疑問を解消するために、苔の自生環境の明るさを調査してきました。

この調査結果は苔が育つ明るさとLEDライトのススメとしてもまとめ直しました。

明るさの測り方

今回は明るさを測るためにスマホのアプリを使いました。

スマホで測れるんだ……!

私が使ったのはAndroidの「照度計:Smart Luxmeter」です。
シンプルな画面で明るさをルクスの単位で測ることができます。

「照度計:Smart Luxmeter」はAndroidだけで提供されていますが、照度計のアプリはiPhone向けのものも存在しています。
iPhone向けだと「QUAPIX Lite」などが有名なようです。

ただし、アプリによる測定では表示される数値はスマートフォンに搭載されたカメラに依存してしまいます。
より正しい数値を測定したい場合には、照度計を購入してみてください。
3,000円前後から販売されているようです。

明るさの単位である「ルクス」は「明るさを測定したい面がどの程度の光を受けているか」という単位です。
今回は苔がどの程度の明かりを受けているのか、といったことを測っていると考えてください。

また、明るさは一般的には以下のような数値になると言われています。

場所明るさ(lux)
晴天の日向100,000lux
日陰10,000lux
北向きの窓際1,000lux

さらに他の目安として、普段の生活に必要な明るさとしては読書に必要な明るさが500lux製図などの細かい作業に必要な明るさが1,000luxと言われています。

実際に測ってみた

実際に苔が生えている環境に行って、明るさを測ってきました。

明るさの指標であるルクスが大きい順に紹介していきます。

測ってきた日の条件

主な測定箇所は東京都の野川公園、およびその周辺です。

計測日時は2021年04月の8~9時頃。

天気は快晴。

天気予報によれば気温は15℃程度だったようです。

ハマキゴケ 約19,000ルクス

最初に見つけたのはガードレール(ガードパイプ?)の下に生えていたハマキゴケ。

発見時はちぢれていて色も茶色がかっていましたが、水を吹きかけるとフワッと葉が広がり色も緑色になりました。かわいい。

ほぼ直射日光があたる環境なので、明るさの数値も大きくなりそうですね。

測定結果は約19,000ルクスでした。
※ 「センサーの値」は4桁までしか表示されないので、「平均」を参照してください。

ちなみにガードレールの上でも測定したところ約26,000ルクスを記録しました。

ガードレールが多少なりとも光よけになっているんですね。

ヒロハツヤゴケ 約6,200ルクス

木道を覆いかぶさるように枝が伸びており、その上にヒロハツヤゴケが生い茂っていました。

ここからしばらくは広葉樹の枝や広葉樹林の地面に生えている苔が対象になっています。

測定結果は約6,200ルクス。

木陰とはいえ結構明るいですね。枝の上だからでしょうか。

ハマキゴケと比べれば3分の1ぐらいまで明るさが落ちていることもわかりますね。

楽しくなってきた。

ホウオウゴケ科 約5,300ルクス

広葉樹林の中、体感的にはちょっと暗く、すこしジメッとした感じの場所にいました。

葉の付き方からホウオウゴケ科の苔だと思うのですが、それ以上は調べきれていません。

明るさは低めかなと思っていましたが、実際はどうでしょう?

計測結果は約5,300ルクス。

私が思っていたよりは高い値でちょっとびっくり。

広葉樹林の中は私が思っているほどには暗くないんですね。

サヤゴケ 約4,400ルクス

サヤゴケが木道の脇に生えている木の側面に生えていました。

ヒロハツヤゴケとは違い、木の側面に生えています。

ヒロハツヤゴケとそんなに変わらないだろうと思っていたのですが、計測結果は約4,400ルクス。

側面に生えているため幹に光が遮られているのかな。

なるほど。

コツボゴケ 約3,600ルクス

広葉樹の木陰にコツボゴケを発見。

私の好きなコツボゴケ、これは測っておかねばなりません!

ちょうど木の陰と、木漏れ日が当たる場所があったのでそれぞれ測定してみることに。

木陰の方は約3,600ルクスで、木漏れ日が当たる方でも約4,900ルクスとなりました。

1.3倍ぐらい明るいですが、木漏れ日が当たる箇所は葉がちぢれている苔もあったので乾燥しやすいのかも。

木の陰の方
木漏れ日が当たる方

育てる場合には4,000ルクスぐらいまでに抑えておくといいのかもしれませんね。

コゴメゴケ 約3,600ルクス

広場の隅のエノキにコゴメゴケを発見。

サヤゴケとほとんど同じ条件なので、結果としても似たような約3600ルクスという数値になりました。

ゼニゴケなど 約1,400ルクス

ちょっと環境が変わって橋の下。

暗いと感じるだけでなく、体感的にも気温が下がったのがわかります。

さすがに暗すぎるかな~とも思いましたが、苔はしたたかに育っていました。

面白いことに、少なくとも4種類の苔が近い位置に生えています。

写真下がミカヅキゼニゴケ。
三日月型の無性芽器が特徴的ですね。

写真右上が普通のゼニゴケ。
こっちは無性芽器が丸い。

写真左にいるのが、たぶんヒョウタンゴケ科の何かかな。
最初はアゼゴケが近いかなと思ったけど、特徴の似た近縁種がいるから判断がつかなかった。

あとは写真中央やや左に、ちょっとだけホウオウゴケ科と思われるこけが生えてます。
キャラボクゴケ?だめだ私にはわからない。

明るさの計測結果は、さすがに広葉樹林よりは暗くて約1,400ルクス。

他の環境に比べたら段違いに暗いん。

だけど、それでも「製図などの細かい作業に必要な明るさ」と言われている1000ルクスよりも明るんですね。驚き。

参考: うちの明るさ

参考までにうちの明るさも測ってみました。

計測は2021年4月の12時ごろ。

天気は晴れ。

※ 写真はありません

場所明るさ(ルクス)
東向き窓際から1m (カーテンなし)11,000
東向き窓際から3m (カーテンなし)4,300
東向き窓際から5m (カーテンなし)1,800
東向き窓際から1m (レースカーテン)5,500
東向き窓際から3m (レースカーテン) 2,600
東向き窓際から5m (レースカーテン)1,600
窓のない部屋 (照明のみ)1,300

この数値だけをみると、広葉樹林に生えている苔はレースのカーテン越しの窓際1mあたりに置くとちょうど良い明るさだと言えそうですね。

あとはゼニゴケとかはなるべく部屋の奥におくか、照明だけで育てるのが良さそう。

まとめ

今回は苔が生えている環境で明るさを測ってきました。

測定にはスマホのアプリが使えて便利でした。

苔の種類や明るさ、置き場所の目安などをざっくりまとめると次のようになります。

苔の育成環境明るさ家での置き場所
直射日光があたる場所10,000ルクス前後カーテンを開けた窓際、など
広葉樹林の中3,500~6,500ルクスレースカーテンを閉めた窓際1m、など
日陰1,500ルクス前後部屋の奥、照明のみ、など

みなさんもぜひスマホアプリを片手に明るさを測ってみてください。

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