先日調布市の深大寺に行ってきました。
お蕎麦を食べつつ苔の観察をしてみます。
深大寺は調布市にあるお寺で、国分寺断崖の崖下に位置しています。
この周辺では数カ所で水が湧いており、清流に生息す苔を観察することもできるそうです。
深大寺周辺は以前はそばの産地だったそうで、「深大寺そば」を掲げるそば屋さんが10件以上も立ち並んでいます。
ただ、現在はそば畑はほとんどなくなっており、各そば屋さんはは日本各地のそばを利用しているとのことです。
かつてはそば粉を挽いていただろう水車が資料館の中で動いていました。
さて、話を苔に戻して、境内の石碑で見つけた苔の1つがこの子です。
遠目に見る分にはサヤゴケやコゴメゴケと似ているのですが、近づいてみると葉や蒴の形が異なることがわかります。
ちょっとピントがボケていますが、この子の特徴を挙げてみます。
- 葉は線状披針形
- 中肋はおそらく葉先の近くまで達する
- 葉の上部では鋸歯が明瞭
- 一部の葉はクルッと丸まっているため、乾燥時には捲縮するものと想像できる
- 葉の長さは4mm前後
- 蒴は直立
- 胞子を放出した蒴は白っぽく、若い蒴は茶色に近い色をしている
- 蒴歯は赤い
苔の長さの基準にしているウミガメちゃんの大きさはこちらの記事を参照してください。
葉が捲縮するということからチヂレゴケ方面で調べてみるとナガバチヂレゴケ(Ptychomitrium linearifolium)という苔が見つかりました。
おそらくこの苔で合っていそうです。
何かネタになる情報はないかなと Google Schalorでナガバチヂレゴケを調べてみると、日本各地のコケ植物調査での発見報告が引っかかりますね。
参考: Google Schlaorで「ナガバチヂレゴケ」を検索した結果。
この検索結果を見る限りではナガバチヂレゴケは九州~関東には生息していると言えそうです。
新潟の報告もありますがそれより北での報告は今のところはありません。
新潟以北では見つけにくい苔なのかもしれません。
もしくは単に調査されていないだけかな?
ここからはおまけ。
深大寺の境内には様々な歌や句が刻まれた石碑があるそうです。
調布市の観光協会が発行する深大寺散策マップでは18の句碑・歌碑が案内されています。
今回の苔散歩ではたまたま蕎麦の旨さに感謝する歌碑と、そこに生えている苔を見つけていました。
近づくのが難しくて接写はできなかったので、スマホの光学ズームで撮影してみたのが次の写真です。
この子はナガバチヂレゴケでしょうか?それともサヤゴケ?
この写真だけで判断するのは難しそうです。
コメント