ナミガタタチゴケはスギゴケ科の一種で、林などの日陰の土上を好んで生える苔です。
おそらくスギゴケ科の中では最も日常で見かけやすい苔です。
大きな公園や林があれば樹の根本に生えていることがあります。
また、市街地の中でも日陰の多い公園であれば見かけることがあるかもしれません。
分類(※) | 蘚類 スギゴケ目 スギゴケ科 |
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育成場所 | 土上 |
日当たり | 半日陰~日陰 (苔の育つ明るさを参照) |
湿度 | 中間 |
育ち方 | 直立 |
科はしだ・こけ (新装版山溪フィールドブックス)に基づく
ナミガタタチゴケの特徴
ナミガタタチゴケはスギゴケ科の苔の一種で、どちらかといえば日陰の土上を好んで育ちます。
樹の根元などで見かけることが多い印象があります。
スギゴケ科の中では葉が透き通っているのも特徴の1つでしょう。
葉の長さはおよそ5~10mm程度と苔の中では大きい方です。
葉をよく観察すると波状の横しわが見て取れます。
これが「ナミガタ」の由来と思われます。
写真からはわかりにくいですが、更に拡大すれば葉の外周や横シワに沿って歯が並んでいることが観察できるようです。
中肋は1本で葉先まで達します。
中肋の上にはスギゴケ科の特徴である薄板が並んでいるようです。
観察するには顕微鏡が必要であり、切片を作成する必要があるでしょう。
現在のねここけの技術では観察は難しそうです。
茎は直立し、分枝はほとんどしません。
高さは2~5cmのようです。
おそらく12月頃に蒴をつけ始め、春になれば帽子や蒴蓋を落として胞子を飛ばし始めると思われます。
ナミガタタチゴケの見分け方
ナミガタタチゴケと類似する苔としてヒメタチゴケがいます。
ヒメタチゴケは名前の通り小さい苔であり、高さは2cmに満たないものが多いです。
シルエットがナミガタタチゴケと似ているため、大きさで判断することになりそうです。
ナミガタタチゴケの入手方法
調べてみた限りではナミガタタチゴケは一般には流通していませんでした。
苔テラリウムの専門店などでは通販での販売がされていることもあるようです。
ナミガタタチゴケは比較的見つけやすい苔なので、入手したい場合には自身で採取することも選択肢です。
ただし苔の採取には地権者などの許可が必要な点に注意してください。
採取のための許可を取るにはこちらの記事も参考にしてください。
ナミガタタチゴケの育て方
特徴にも書いたとおり、ナミガタタチゴケは日陰の土上を好む苔です。
苔テラリウムなどで育てる場合には、セミクローズドなタイプの苔テラリウムを用いて、土の上に植えると良いでしょう。
直射を避け、窓から少し離れた場所に置くと良いと思います。
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