苔を元気に育てたい!苔テラリウムの管理方法

苔の管理

以前に苔テラリウムの作り方を紹介する記事を作成したので、ここでは苔テラリウムの管理方法について紹介したいと思います。

苔テラリウムの管理方法の極意は、一言でいうなら「苔の自生環境を再現する」ことです。

とはいえ苔テラリウムの中でどうやって自生環境を再現するのかが問題な訳で、本記事では私の経験を元に苔が元気に育つ管理方法を紹介してみます。

注意: この記事は苔テラリウムによく用いられる苔(シノブゴケやホソバオキナゴケ、コツボゴケなど)を対象としており、すべての苔に同じ管理方法が向いているわけではありません。
目指すべきは「苔の自生環境を再現する」なので、苔の種類、苔テラリウムの容器、苔の配置ごとに最適な管理方法は異なります。
苔テラリウム管理として最初に試みる管理方法だと思ってください。
ある程度の期間を管理した後で、苔や苔テラリウムに合わせて管理方法を調整すると良いと思います。
調整の方法についても記事の後半で紹介しています。

苔テラリウムの管理の基本

最初の注意にも書きましたが、苔テラリウムの形・苔の種類・苔の配置などによって管理方法は微妙に変わってきます
なので、まずは基本の管理を試してもらい、その後に苔の様子を見つつ微調整してください。
微調整の方法についても記事の後半で紹介しているので参考にしてください。

苔の管理には2つの大事な要素があります
1つは湿度、もう1つは明るさです。
この2つの要素が苔とうまく合っていれば、苔は元気に育ってくれます。
逆にこれらの要素が合わないと、成長しなかったり、枯れてしまったりします。

私は苔テラリウムに用いられる苔の多くは、明るさは木漏れ日程度、湿度は中ぐらいという環境を好むと認識しています。
基本の管理方法として、この条件を前提に話を進めます。

苔テラリウムの湿度管理

苔は植物の中でも比較的高い湿度を求める生き物です。
ただし、多湿であれば良いというほど単純でもありません。

苔テラリウムの湿度をいい感じに保つには以下の2つに気をつけると良いです。

  1. 少し隙間を開ける
  2. 水やりは週に1回程度

これだけだとざっくりしすぎているので、解説します。

苔テラリウムの湿度管理 – 苔テラリウムのタイプ

苔テラリウムは容器の密閉の仕方によって3つに分類されます。
密閉するクローズドタイプ開口部があるオープンタイプ、そして少しだけ隙間を開けるセミクローズドタイプです。

苔を元気に育てないのなら、最初にオススメするのはセミクローズドタイプです。
※ 念のため繰り返しますが、苔によって最適な環境は異なっており、苔テラリウムに用いられる苔の多くはセミクローズドタイプをオススメしやすいという話です。

セミクローズドタイプの苔テラリウムは、容器内の湿度をいい感じに調整してくれます。
その代わりに湿度が少しずつ外に逃げてしまうので週1程度の水やりが必要になります。

セミクローズドタイプの苔テラリウムは以下のような作り方があります。

  1. そもそも密閉できない容器を使う
  2. 密閉するためのパッキンを取り外す
  3. 隙間を作るために何かを挟む

実際に写真でも紹介してみます。

この苔テラリウムは、百均(セリア)のディスプレイ収納(フィギュアケース)を利用したものです。
こういった容器はもともと密閉する機能はないので、フタの隙間から空気が漏れています。
苔テラリウムとしてはいい感じに湿度を調整してくれるので、管理がしやすいです。

こちらの苔テラリウムはもとは密閉できる食品保存容器でした。
今はパッキンを外しており密閉できないようにしています。

中にはクジャクゴケが入っているのですが、パッキンを外すことでようやく元気に育つようになりました。
クジャクゴケの管理についてはこちらの記事でも解説しています。

こちらは 百均でおしゃれな苔テラリウム作り の記事で作り方を紹介した苔テラリウムです。
この苔テラリウムはパッキンが外せない密閉容器で作成していました。
フタをそのまま重ねてしまうと過湿になることに気づいたので、フタが閉まらないように竹串を挟んでいます。

苔テラリウムの湿度管理 – 水のやり方

「水は週に1回を目安にやると良いでしょう」
といったところで「どれだけやればいいんだ!」と思うことでしょう。
少なくとも私は思いました。

数年間苔テラリウムを眺めてきましたが、私的には次のような目安を設けていまs。

  1. 水をやる際には容器の底に水が溢れないようにする
  2. 容器に水滴が付着しなくなったら水をやる合図

実際に写真でも紹介してみます。

以前に紹介した苔テラリウムの作り方では、苔テラリウムの下部に小石を敷き詰めて隙間を作りました。
水やりの際にはこの空間に水が流れ込むかどうかを確認すると良いです。
水が少し流れ込んできた、もしくは流れ込む前に水やりを止めるといい感じです。

この空間は苔テラリウムの土の中の水量を調整してくれます。
水が流れ出てきたということは苔テラリウムの土が水分を保持しきれなくなったと判断できます。

苔テラリウムの下部に隙間がない場合には、土の色などで判断してみてください。

苔テラリウムを観察すると、容器の内側に水滴が付いている事があると思います。
目に見えて水滴が付いている間は苔テラリウム内の湿度は十分であると思われます。

水滴がつかなくなる前後で水やりをすると良いでしょう。

最初のうちは日々苔テラリウムの観察をして、1回の水やりでどの程度の期間湿度が保てるのかを把握してみてください。

苔テラリウムの明るさ管理

苔テラリウムに用いられる苔の多くは、ひだまり程度の明るさで元気に育つものが多いです。
ひだまりの明るさを室内で再現するには次のような置き場所が目安となります。

  • 窓が東もしくは西向きの場合には、レースのカーテン越し30cmあたり
  • 窓が南向きの場合には、レースのカーテン越し1mあたり
  • 光が射さない環境であれば、ライトを用意して明るさを確保する

もっと定量的に言うと日中に600~1,000lx程度の明るさが確保できる環境が良いでしょう。
スマホのアプリを自由に入れられるのであれば「照度計」などで検索してアプリを入れてみてください。
私はAndroidに「照度計:Smart Luxmeter」を入れて使っています。

以前にいろいろな環境の明るさを測定した記事やLEDライトを導入する記事を書いたので、よかったらこちらも参照してみてください。

苔テラリウム管理の微調整

「苔が成長しない」「苔が少し茶色くなった」などのサインに気づいたら、管理方法を微調整すると良いでしょう。
ここからは私が気づいた苔テラリウム管理の微調整の方法について紹介します。

微調整をするためには、苔をよく観察する必要があります

苔をよく観察していると変化に気づくことがあると思います。
「元気に成長しているな」という変化であれば何も問題ありませんが、「元気がなさそうだなぁ」と思う場合には該当する見出しを参照してみてください。

微調整をしても効果が目に見える様になるには2週間程度かかると思ってください。
苔が枯れていないのであれば、それはまずまずの管理ができているということです。
苔テラリウムは気長に育てていきましょう。

苔がヒョロヒョロと伸びる

ヒョロヒョロ伸びる減少は徒長と呼ばれます。
苔の場合には湿度が高すぎると徒長することが多いようです。

この場合には容器に少しだけ隙間を開けると元気に育つようになるかもしれません。

苔の一部が茶色くなってきた

湿度が足りない場合には苔が茶色くなる場合があります。

苔の先端だけが茶色い場合には少し湿度が足りないようです。
容器の隙間が大きい場合には少し狭くしたり、もしくは2~3日に1回霧吹きを吹きかけてみてください。

苔全体が茶色くなってきている場合には湿度が足りていないと思われます。
気づかないうちに土が乾いてしまったのかもしれません。
水やりの頻度を上げてみましょう。

一度枯れてしまった箇所は元には戻りません。
ただし、枯れたと思っていても中の一部が生き残っていることもあります。
しばらく水をやってみればひょっこりと新芽が出てくることもあります。

また、枯れた苔をそのままにしておくとカビが生える原因にもなってしまいます。
しばらくしたら茶色い箇所を取り除くようにしましょう。

苔が成長しない

まず、苔によっては成長のスピードがとても遅い種類も存在します。
それを踏まえても苔が成長していないと感じる場合には、明るさが足りない可能性があります。

もう少し明るい場所に移動するか、ライトをおいて明るさを確保してみましょう。
白熱灯などの熱を持つライトを使う場合には、近づけすぎないのと、水分が蒸発しやすいので湿度管理に気をつけてください。

上の「苔テラリウムの明るさ管理」でも書きましたが、日中に600~1,000lx程度の明るさが一つの目安です。
スマホのアプリで「照度計」などで検索してみてください。
私はAndroidに「照度計:Smart Luxmeter」を入れて使っています。

苔が見慣れない器官を付けている

苔が見慣れない器官を付けている場合には、そこは苔にとって最適な環境、なのかもしれません。
苔は通常の枝や葉だけでなく、雄器、 雌器、無性芽、蒴などの器官をつけることがあります。

ベランダで育てていたコツボゴケの雄器盤

これらの器官は、花をつける植物では雄しべや雌しべに当たるもので、苔が増えるために必要なものです。
たいていは苔が元気に育っている場合に付けるので、苔テラリウムの中が快適ということでしょう。

まずはその苔がどういった器官を付けるのかを図鑑やウェブで探してみてください。

一方で、図鑑やウェブで紹介されているのとは似つかない器官が付いているのであれば、それはカビや雑草が紛れ込んでいるのかもしれません。
雑草であれば、景観の変化を楽しむか、もしくは抜いてください。
カビが生えてしまったのであれば、しばらくの間フタを開けて置くことでカビを死滅させる事ができるようです。

最後に

私の経験を元に苔テラリウムの水やりについて解説してみました。
この記事が苔テラリウムの管理に役立つと嬉しいです。

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