コツボゴケは透明感のある葉が魅力的な苔です。
沢沿いや庭園などの適度な湿度と、木漏れ日程度の明るさの環境で群生をつくることがあります。
市街地のそばでも、環境が合えばコツボゴケを観察することができるでしょう。
苔の中ではメジャーな存在であり、通販などでも容易に入手することができます。
育成の難易度も低く、苔テラリウムに使われることも多いです。
分類(※) | 蘚類 ホンマゴケ目 チョウチンゴケ科 |
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育成場所 | 土上 |
日当たり | 半日陰 (苔の育つ明るさを参照) |
湿度 | 中間 |
育ち方 | 直立する茎と匍匐する茎がある 環境が合えば広いマットを形成する 育つのが早い |
科はしだ・こけ (新装版山溪フィールドブックス)に基づく
コツボゴケの特徴
コツボゴケの特徴はなんといってもその透明感のある葉でしょう。
透明は葉をつける苔の多くは、湿潤な環境で生息しているため、
湿度が中間程度の環境で透明感のある葉をつけるコツボゴケは珍しい存在とも言えます。
葉は広卵形で葉先は尖っています。
また葉の半分より上には鋸歯(葉のギザギザ)を確認することができます。
他の苔に比べれば成長が早いため、育成に合う環境であれば広いマットを形成します。
あたり一面がコツボゴケばかりということもありますね。
また、コツボゴケは乾燥すると強く捲縮します。
育てる場合には、蓋のついた容器に入れると良いでしょう。
4月~6月頃に雄株は花のような雄器盤をつけます。
コツボゴケの入手方法
コツボゴケは市場に多く流通しています。
1パック500円~1000円程度で販売されています。
小川沿いや林のある公園、神社・庭園などに行けば自生していることもあります。
ただし無許可での苔の採取は違法なので、事前に許可を取るようにしましょう。
採取のための許可を取るにはこの記事も参考にしてみてください。
コツボゴケの育て方
コツボゴケは乾燥すると捲縮するため、蓋付きの容器に入れると良いでしょう。
ただし、湿度が高いと徒長することもあるため、フタをずらすなどして湿度を調整すると良いです。
成長速度が早いため、容器には余裕を持って配置することをおすすめします。
容器の側面に接触すると仮根を伸ばすことがあるため、見た目が悪くなってしまいます。
ある程度育ったらトリミングしてあげてください。
匍匐性の苔でもあるため、岩を入れたり傾斜をつけた配置をすると匍匐している様子がよく分かると思います。
苔の育て方についてはこちらの記事も参考にしてください。
コツボゴケの見分け方
近縁種であるツボゴケとは、目視での識別は難しいです。
一番の違いはコツボゴケは雌雄異株であるのに対し、ツボゴケは雌雄同株です。
ツボゴケは通常は山林で育つため、市街地の近くで見かけた場合にはコツボゴケであると思って良いでしょう。
また、近縁種であるオオバチョウチンゴケとは葉の形で区別することができます。
オオバチョウチンゴケは葉先が丸く、鋸歯は不明瞭です。
こちらの記事でも区別の方法についてまとめてあるので参照してみてください。
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