サヤゴケは樹幹に群生を作る苔の1種で、市街地でもよく見かけることができます。
特にサクラ類の樹幹によく見られ、身近な苔の1つであるといえます。
身近な苔の1つではありますが、市場ではほぼ流通しておらず、テラリウムへの採用例もあまり見かけません。
分類(※) | 蘚類 ギボウシゴケ目 ヒナノハイゴケ科 |
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育成場所 | 樹幹、岩上 |
日当たり | 半日陰 (苔の育つ明るさを参照) |
湿度 | 中間 |
育ち方 | 小さなコロニーを形成 |
科はしだ・こけ (新装版山溪フィールドブックス)に基づく
サヤゴケの特徴
一番の特徴は、蒴柄を包むように雌苞葉が蒴の付け根まで伸びていることです。
この形がまるで鞘が刀を包んでいるようなのでサヤゴケと名付けられた、らしいですね。
ルーペやマクロレンズで観察することができれば、比較的容易に判断することができます。
サヤゴケの入手方法
市場には流通していないため、入手したい場合には直接採取することになります。
サヤゴケの見分け方
市街地や町中の公園で、樹幹に群生している苔があればそれはサヤゴケの可能性が高いです。
観察できるようであれば、雌苞葉が蒴柄を包むように伸びているかどうかを見てください。
長い雌苞葉を確認できればサヤゴケとだと思って良いでしょう。
夏や秋には蒴が口を開きますが、蒴だけを観察するとヒナノハイゴケと区別しにくいことがあります。
蒴柄を観察する余裕がない場合には葉を確認します。
サヤゴケには中肋があります。
ヒナノハイゴケには中肋がありません。
これで区別ができるはずです。
サヤゴケの雑学
環境指標植物としてのサヤゴケ
以前に桜とサヤゴケでも解説したことがありますが、サヤゴケを使って大気の汚染状況を確認する事ができます。
サヤゴケは大気汚染に強く、5段階に分類された区域のうち、汚染の強い区域Ⅱおよび区域Ⅲで発見されています。
ちなみに最も大気汚染の強い区域Ⅰでは着生蘚苔類は見つかっていません。
苔の中では最も大気汚染に強い種類の1つなんですね。
別名
ヒメハイカラゴケとも呼ばれていたようです。
日本語類標本 第5集などに名前が併記されている記述がありました。
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