【苔散歩】採られた苔を予想してみる

苔散歩

苔を観察しに久しぶりに野川公園を訪れてみると、誰かが苔を採ったと思しき跡を見つけました。

20cm×10cmぐらいの範囲で土がむき出しになってます。
断定できるものではないのですが、たぶん苔を採ったのでしょう。たぶん。
私が「採るな」とは言えたものではないですが、目立つような採り方は避けてほしいなぁという気持ちです。
苔がこの広さに育つには1年以上かかるような気がします。

残念な気持ちが心にあふれていた中で、ふとそんなに持って帰りたくなるほどの苔とはなんだったのかが気になりはじめました。
考え始めると思考が止まらなくなってきます。

よっぽど珍しい苔でも生えていたのか?
ここ普通の公園の広場だぞ?
まさかそんな珍しい苔が生えているとは思えない。。。
コツボゴケあたりか?
コツボゴケだったらここよりもっといい場所があるのになぁ。
もしこれがシノブゴケとかだったら。。。私も欲しいわ。
いや、採らないけどさ。
仮に苔を採ったとしてこんなサイズの苔を何に使うんだ?
どんだけでっかい苔リウムを持っているというのか。
販売か?フリマなのか?
それはやめてほしいなぁ。
というかこんな場所で採った苔なんて売り物にならないでしょ。

興味が止まらなくなってきたので、もうちょっと細かく観察してみることにします。
採られた苔の正体が分かるかもしれません。

採られた苔を予想してみる

採られてしまった苔はもうないので、近場に残っている苔を観察してみます。
それっぽい苔が見つかれば私の直感で結論を出します。

公園で採るような苔は混ざりものも多いので誰かに販売する苔としては不適当でしょう。
なので採った人は個人的な使用のために採っていったのだろうと予想しています。

予想1 センボンゴケ科コゴケ属の苔

まず、写真の右上にあたる場所に蒴がまとまって生えているのが目に止まりました。

くるくるに捲縮した葉がかわいい!

蒴を拡大してみるとこんな感じです。
蒴には縦に細長い蓋(嘴というらしい?)が付いているのが特徴的ですね。
確かに片側だけに亀裂が入って帽子が外れかけているシルエットはカワセミのような鳥の形に見えます。可愛い。

葉に霧吹きをかけるとまっすぐな形に戻りました。
よく見てみると霧吹きをかけても葉は平らにはならず、左右両側が内側に曲がっているようです。

おそらくコゴケ属の苔かと思われます。
ナガハコゴケかツチノウエノコゴケあたりだと思うのですが自信が持てません。

苔リウムとしてはあまり使われない苔なので、あのサイズで持っていくとは思えないですね。
私としては予想1はなさそうだなと思うのでハズレとします。

予想2 アオギヌゴケ科?の苔

次は最初の写真の左側に、ある程度のまとまりで残っていた苔たち。

ちょっとふわふわした見た目の苔ですね。

拡大してみると葉の数が多く、葉が尖った形をしているのがわかります。

といいつつ、写真をこれだけしか撮っていなかったのもあり正体がよくわからない。
おそらくはハネヒツジゴケなどのアオギヌゴケ科の苔ではないかな、と。

アオギヌゴケ科は種類によっては道端にも生えているので、やはりあのサイズで採っていくとは思えないですね。
予想2もなさそうだなと思うので、ハズレ。

予想3 オオバチョウチンゴケ?

主に生えている苔は上の2種類だったのですが、採取跡をよくよく観察してみるとまだ違うコケが残っていました。
最初の写真の右側を拡大してみると、ちょろっと伸びた苔がいる。

この子は誰だ。。。?

この透明感のある葉はチョウチンゴケ科かと思われます。
この公園でよく見るのはコツボゴケですが、葉を更に拡大してみると。。。

葉の先端が丸みをおびていて尖っていません。
もしコツボゴケであれば葉先が尖っているため、この子は違う苔になります。
葉の形が近いのはオバチョウチンゴケでしょうか?

オオバチョウチンゴケは水辺で育つイメージがあるので環境があっていないようにも思います。
たまたま周囲の草によって湿度が保たれているとか?

ともかく公園で見かけるのは珍しい苔ですね。

なんにせよ比較的珍しい苔なので、この子が採っていかれたと考えると納得できます。

結論

採取されたのはオオバチョウチンゴケと予想します。
持っていきたい気持ちは、分かる。

ただ、育ててみればわかりますが苔は成長速度が早くない子が多いです。
あんまり広範囲をまとめて採ってしまうと再生するのに時間がかかってしまうので、採るならもうちょっと少なめにしてほしいなという気持ち。

大きなサイズの苔がほしいなら通販で買おうね。
というかそもそも野川公園は植物の採集はNGじゃ~!

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